現場ブログ 塗装に関するマメ知識やイベントなど最新情報をお届けします！

1. はじめに：千種区における外壁塗装の概要

名古屋市千種区は、戸建て・集合住宅が混在する住宅エリア。旧家から築浅のコーポまで幅広いため、外壁塗装のニーズも多様です。外壁塗装は美観の回復だけでなく、耐候性・遮熱性・防水性・コストなどバランスを考える必要があります。以下、主な工事・塗料の種類ごとに解説していきますヾ(≧▽≦*)o

2. 塗装工事の流れと種類

2.1 足場設置・養生・高圧洗浄

足場架設

工事の安全確保と作業効率向上のため、まず足場を設置します。足場には転落防止のメッシュネットを張り、近隣への塗料飛散などを防ぎます。千種区の住宅地でも、このような仮設足場と養生シートの設置は常識的な配慮となっています。

養生作業

塗装しない箇所（窓枠、玄関ドア、給湯器など）には、ビニールやマスキングテープで養生処理を行います。これにより塗料の付着を防ぎ、美しい仕上がりにつながります。

高圧洗浄

外壁や屋根に付着した汚れ、コケ、カビ、古い塗膜を高圧洗浄機でしっかりと洗い流します。洗浄後にしっかり乾燥させることが、塗料の密着性と耐久性を高めるポイントです。料金相場は300～500円／㎡程度です。

2.2 シーリング（コーキング）

外壁の目地やサッシ周りに使用されているシーリング材は、経年劣化により硬化・ひび割れが発生します。劣化したままでは雨水が侵入し、構造材にダメージを与える恐れがあります。そのため、塗装前にシーリングの打ち替え（完全除去と新規充填）や増し打ち（既存の上から追加充填）を行い、防水性を回復させることが非常に重要です。

2.3 下塗り～中塗り～上塗り

塗装工程は、通常「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが基本です。

• 下塗りでは、下地と塗料の密着性を高める専用のプライマーを塗布。

• 中塗りは、仕上げ塗料の1回目。

• 上塗りで、最終的な色・艶・性能を仕上げます。

使用する塗料に応じて、膜厚や乾燥時間などが異なるため、職人の丁寧な管理が求められます。

2.4 付帯部の塗装

外壁本体だけでなく、以下の「付帯部」も同時に塗装することで建物全体の美観と保護性能が高まります。

• 軒天（のきてん）

• 破風板（はふいた）

• 雨樋（あまどい）

• 水切り金具

• ベランダ手すり・笠木など

使用塗料は、主にウレタン塗料やシリコン塗料が用いられます。色合わせや素材ごとの処理にも注意が必要です。

3. 塗料の種類と特徴

現代の主流は、合成樹脂を主成分とした以下のグレードです。用途に応じた選定が求められます。3.1 アクリル塗料

• 特徴：発色が良く、色展開が豊富。

• 耐久年数：5～8年程度。

• 価格帯：1,000～1,500円／㎡。

• メリット：低コストで再塗装向け。

• デメリット：耐候性やひび割れに弱く、頻繁なメンテが必要。

3.2 ウレタン塗料

• 耐久年数：7～10年。

• ㎡単価：1,800～2,500円。

• 特徴：密着性・柔軟性に優れ、付帯部まで対応◎。

• デメリット：紫外線にはやや弱く、コストパフォーマンス重視派が選択。

3.3 シリコン塗料

• 耐久年数：10～13年。

• ㎡単価：2,500～3,500円。

• 特徴：コスパ良く、汚れに強いスタンダード塗料。住宅で最も利用されている。

• 注意点：製品により性能差アリ。

3.4 ピュアアクリル塗料（防水タイプ）

• 耐久年数：15～18年。

• ㎡単価：3,800～4,500円。

• 特徴：高弾性でクラック追従性に優れる。モルタル系外壁に有効。

• デメリット：ゴム質感で汚れがつきやすい。

3.5 フッ素塗料

• 耐久年数：13～15年以上。

• 特徴：高耐候・高耐久、公共施設やマンションで採用実績多数。東京スカイツリーにも使用。

• 価格：高額。

3.6 ラジカル制御型塗料（ハイブリッド）

• 耐久年数：12～15年。

• 特徴：シリコン塗料以上。紫外線劣化を抑制し、コスパ良好。

3.7 無機塗料・光触媒・ナノ・遮熱・断熱

• 無機塗料：化学的安定性に優れ、耐用年数15年以上。

• 光触媒塗料：セルフクリーニング作用。

• セラミック（断熱・遮熱）塗料：夏場の室内温度低減に効果あり。

4. 外壁材別の適合塗料・工法

外壁材にはさまざまな種類があり、それぞれに適した塗料と施工方法があります。以下に代表的な外壁材とそれに対応する塗装方法をまとめます。

• 窯業系サイディング
  
  　– 日本で最も多く使われている外壁材です。アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機、光触媒など幅広い塗料に対応可能です。また、既存の意匠を活かす「クリヤー塗装」や「多彩模様仕上げ」なども人気があります。

• 金属系サイディング（ガルバリウム鋼板など）
  
  　– 錆びやすいため、錆止め塗料を下塗りに使い、その上にシリコンやフッ素塗料を塗るのが一般的です。

• 木質系サイディング
  
  　– 天然木を使用しているため、水分や紫外線による劣化に注意が必要です。ウレタン系・シリコン系塗料や、木目を活かしたクリヤー塗装が選ばれます。

• 樹脂系サイディング
  
  　– 色あせが少なく基本的に塗装不要ですが、経年劣化により必要な場合はクリヤー塗装が適しています。

• コンクリート（打ちっぱなしなど）
  
  　– 撥水剤の塗布や、色調を維持しつつ保護するカラークリヤー塗装が主流です。

• ALCパネル（軽量気泡コンクリート）
  
  　– 水に弱いため、防水性の高い塗料とシーリング処理が重要です。フッ素塗料やシリコン塗料が適しています。

• モルタル外壁
  
  　– クラック（ひび割れ）が発生しやすいため、弾性塗料（伸縮性がある塗料）が推奨されます。アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素系が使われ、特にピュアアクリルなど高弾性塗料との相性が良いです。

• タイル外壁
  
  　– 基本的に塗装不要ですが、表面保護や艶出しを目的としたクリヤー塗装が行われることがあります。また、目地のシーリング劣化には注意が必要です。

5. 塗料選びの考え方

5.1 耐用年数 vs 費用対効果

5.2 機能性重視

「遮熱・断熱」や「セルフクリーニング」など、暮らしの快適性やメンテナンスを重視するなら、追加機能塗料が有力です。

5.3 外壁材・下地の状態に応じて

クラック・チョーキング・腐食などがある場合は、まず下地補修やシーリングが最重視。モルタル外壁では弾性やクラック追従が活きるピュアアクリル塗料が有効。

6. 千種区における業者選びのポイント

外壁塗装を成功させるためには、塗料の選定と同じくらい「信頼できる施工業者の選定」が重要です。千種区という地域特性を踏まえた上で、以下の4つのポイントを意識して選ぶことをおすすめします。

6.1 地元密着型の業者を選ぶ

千種区には、地域に根差した塗装業者が数多く存在します。これらの業者は、地元の気候や建物の傾向、行政手続きに詳しく、柔軟な対応が可能です。また、アフターフォローや急なトラブルへの対応も迅速で安心感があります。

6.2 一級塗装技能士が在籍しているか確認

国家資格である「一級塗装技能士」が在籍している業者は、技術力の面でも信頼がおけます。複雑な外壁材や高機能塗料の取り扱いにも熟知しており、品質の高い仕上がりが期待できます。また、施工品質に対する保証制度が充実しているケースも多いです。

6.3 見積もりは必ず複数社から比較する

外壁塗装の価格は、塗料の種類や施工面積だけでなく、足場代・養生費・付帯部塗装の範囲など、さまざまな要素によって変動します。そのため、1社だけで判断せず、必ず2〜3社以上の見積もりを取得し、価格・塗料仕様・工法などを総合的に比較しましょう。

最近では、ネット上の「見積もり比較サイト」なども充実しており、同一条件で最大4社まで一括見積もりが可能なサービスも存在します。時間や労力を節約したい方にも便利です。

6.4 助成金制度を確認する

名古屋市や千種区では、一定の条件を満たす住宅リフォーム（外壁塗装含む）に対して助成金制度や減税制度が適用される場合があります。

たとえば、「住宅性能向上リフォーム」や「景観美化支援」などの名目で補助金が出るケースもありますので、施工業者に相談しつつ、工事前に必ず制度の有無や申請方法を確認しておくことが大切です。

信頼できる業者に巡り合えるかどうかが、塗装工事の満足度を大きく左右します。まずは、実績・資格・見積内容・対応姿勢などを総合的に比較検討し、納得したうえで契約を進めましょう。